ボストン/ストレートプライドに見るパレードの意義

2019.9.12更新

畑野とまと(ライター、トランスジェンダー活動家)

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アメリカのマサチューセッツ州ボストンで前代未聞のパレード「ストレート プライド」が先月31日に実施された。

極右活動家によって企画されたこのパレードは、当初1000人の参加を見込んだが現実はその1/3にも満たない数で、カウンターとして集まったLGBTQ+やアライの人達の数の方が圧倒的に多い状況だった。

Super Happy Fun America(チョー幸せで楽しいアメリカ)という団体によるこのパレードは、It’s Great to be Straight(異性愛者であるということは素晴らしい)」と、あからさまに反LGBTQ+のスローガンを掲げたもので、彼らの主張としては『同性愛者たちの声により、私達はひどく抑圧を受けている』という、意訳すると『ホモを差別したくらいで、なんで怒られなきゃいけないんだ!』といった最低な言説でこのパレードは企画されたわけです。

さらに、このパレードにはオルタナ右翼のアイドルとも呼ばれているマイロ・ヤノプルス「Milo Yiannopoulos」がグランドマーシャルとして参加。同性愛者でもある彼はその思想から『同性愛者からも相手にされず排除された』と、半ば逆恨みてきな行動のひとつとして「ストレート アライ」として参加している訳です。

このパレードでは、トランプ大統領と白人至上主義を賛美し、その光景はまるでネオナチの行進のようと揶揄されるほど酷いもので、カウンターとしてその場にいた抗議の声が飛び交う中、警察に守られてパレードが行われました。

このパレードの企画が発表されたときに、すでに多くの人から抗議の声が上がっていました「ストレートであることで、何にプライドを持たなきゃ行けないんだ?」。これは当然の声で、そもそもプライド(誇り)を掲げたのには、社会的にマイノリティであり、その存在を蔑むものたちがいたからこそ叫ばれた言葉です。

どんなにマジョリティの人達が私達を蔑もうと、私達は私達であることに誇り(プライド)を持っている。これは、マジョリティの意にそった形に変えるつもりは無く、私達は胸を張って私達のありかたを主張するといったわけです。

さて、仙台プライドのホームページを見ると次のような事が書かれています。
”『インバウンド促進』日本の特色ある歴史・文化、日本食の魅力を、LGBTアライからの評価を高め、適切にLGBTマーケティングを行うことにより、人を引きつけ、躍動する仙台の魅力の発信、インバウンドを促進する。”
日本語の意味が正直良くわからない部分もありますが、自分たちのありように対するプライド(誇り)の欠片も無く、マジョリティにすり寄っていこう!という宣言をしているとしか見えないわけです。

ストレート プライドのケースでもそうですが、別にマジョリティにすり寄ったイベントをするなとは言いません。しかし、そこにある「プライド」の文字はいったいなんに対して言っている言葉なのか?その「プライド」はどういう意味を持っているのか判らない訳で、だからこそ私は「プライド」や「レインボフラッグ」を掲げるのをやめていただきたいと声を上げるわけです。

仙台ゲイ祭りとかで、お金かけて騒ぐことは地域経済にはきっと良いことかもしれません。ただ、そんなイベントに「プライド」という言葉を使わないでくれと言いたいわけです。


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