「仙台プライドジャパン」公開質問状への回答をファクトチェック

2019.9.7更新

よねざわいずみ(フリーター全般労働組合執行委員、鳴子温泉郷ファン)

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Q1) 本イベントの実行主体は「仙台プライドジャパン実行委員会」であり、その代表は東城ひろみさんである、という、ネットメディアの報道は間違いありませんでしょうか?
A1) 実行主体は一般社団法人日本LGBT機構「仙台プライドジャパン実行委員会」です。

チェック:△

回答内容そのものには誤りではないと思われる。じっさいに主催者として宮城県および仙台市への後援申請を行ったのは「(一社)日本LGBT機構」である。

ただし、「その代表」については無回答である。後援申請に添付された同法人の履歴事項全部証明書には代表として「東城広巳」の名があるため、機構の代表者は東城さんであるが、「実行委員会」の代表についてはいっさいの言及がない。

Q2) 本イベントの運営メンバーはどのようにして選出されたのかをご教示ください。
A2) 当該法人のメンバーに加え、私達の思いに共感して頂いた地元在住の様々な価値観を持ったLGBT、及びアライの方々を広くお迎えさせて頂きました。

チェック:×

運営メンバー選出の透明性、民主性、自発性を問う質問に対し、構成メンバーの概要以外の情報がいっさい返答されていない。

「お迎えさせていただいた」では、主催者が選んだのか、希望者をすべて受け入れたのか、一部を受け入れたのか、不明である。
また、選出のタイミングについてもいっさい不明である。

Q3) 本イベントの内容やゲストアーティストの決定はどのようにしてなされたのかをご教示ください。
A3) 急遽だった為、他のパレードの出演者でも、予定が既に埋まって出れない方がおり、清貴氏などの知り合いや地元で有名な方々をご紹介頂きオファーしました。

チェック:×

これは明確に虚偽内容を含む。
4月3日付けで仙台市に提出された「後援名義使用承認申請書」によれば、すでにこの時点で、清貴さんへのギャランティーが予算に計上されている。

半年前に提出された書面に出演者として想定されている清貴さんが「急遽」ということはあり得ない。

Q4) 本イベントの開催当日の現場スタッフはどのようにして集められるのか、またそれは有償であるのかボランティアであるのかをご教示ください。
A4) スタッフは2でお答えした通りです。有償無償の件はパレード参加と全く関係ない事で、私供は社団法人ですので開示する必要はありませんが、ご心配なさってるであろう様な事はありませんとだけお答えさせて頂きます。 お気になる様でしたら、仙台市へ情報開示をお求め頂ければ幸いです。

チェック:×

まさに「開示する必要はない」と、賃金未払いを居直る悪徳企業が労働組合に対して会計書面の開示を拒む際の口実としてしばしば持ち出す論理が登場している。
ただし、「仙台市へ情報開示を」とアドバイスがなされており、すべてを隠蔽しようとしているわけではない。
「有償無償の件はパレード参加と全く関係ない」というのはきわめて残念な主張である。なぜなら、パレードに対し、LGBT当事者やアライではない、アルバイト労働者によって警備が行われたならば、沿道などからの不測の事態にじゅうぶんに対抗することができないからである。
むろん、アルバイト労働者に対して研修を行うなどの配慮が行われていればよいが、当然に、その研修への参加には時給が発生する。
総予算から、そのような配慮の有無などを知るためにも、大いに「関係ある」質問事項である。
「ご心配なさってるであろう様な事」は、質問者の意図は前述のとおりであるが、主催者の前提と噛み合っていない可能性があるため、この部分は検証不能である。
なお、仙台市に提出されている「予想収支報告書」によると、総支出「1,587,493円」のうち、人件費として「180,000円」が計上されている。
また、仙台市青葉区公園課に提出されている「出演タイムスケジュール」によると、機材搬入開始は8時、完全撤収は20時である。

この間で適切にアルバイトを配置したとして、宮城県の最低賃金約800円で計算すると、28人ぶんということになる。これは本イベントの規模から勘案して、アサイン可能な金額であるが、仮に研修のぶんの時給を支払った場合、予算が不足する可能性が逆に高まり、不安は拭えない。

Q5) 本イベントのおおよその運営予算をご開示ください。
A5) これも当該法人は社団法人であり、外部へお答えする必要はございませんが、ご心配なさってるであろう様な事はございませんのでご安心下さい。仙台市へ情報開示を求めれば大枠で知ることが出来るかもしれませんのでお願い致します。

チェック:△

情報開示請求を行えば判明することを、敢えて回答に含めないことじたいが不可解である。
が、私たちはじっさいに入手できたため、隠蔽されたというわけではない。
なお、前述の「予想収支報告書」によれば、総収入は「1,587,493円」であるが、協賛金が10,000円×30口、出店料が30,000円×20店で、不足分である687,493円は主催者からの持ち出しとされている。
また、支出のうちの出演料は、清貴さんへの80,000円しか計上されていないが、仙台市青葉区公園課に提出されている「出演タイムスケジュール」によると、他に4グループのライブパフォーマンスが予定されている。うち少なくとも2グループはいわゆるアマチュアと思われるが、ギャラは0円ということになっている。

Q6) 本イベントの協賛団体の欄が、公式サイトでは空欄ですが、同ページ内に掲載された低解像度のポスター画像については、いくつかの表記があるように見えます。ご回答日時点での協賛団体についてすべてご教示ください。
A6) ポスターには協賛団体は記入しておりません。
時間が無い中、短期間でやっている為、社名の掲示、ロゴデータの取り扱いについて未だ最終契約をしていないところもあり、
全体が決まらないと明示掲載出来ない状況です。
当日にはモニタービジョンで掲示できます。
大企業、地元企業と様々です。

チェック:×

明らかに虚偽である。

すくなくとも質問が指摘したポスター画像には、「ミヤギテレビ」という文字列、および「7月22日現在」という文字列が読み取れる。

Q7) 本イベントの「パレード」への参加には事前申し込みが必要とのことですが、当日の飛び入り参加が認められない理由をご教示ください。
A7) 誤解を与えてる様でしたらすみませんでした。
今回、初めてのLGBTパレードという事で、警察より警備の動員人数を確定する為に大体の参加人数を申告する様に言われました。
警察より、その申告人数をオーバーした人数は参加は認めませんとの事でしたので、概算の参加予想人数を申告する為に、事前申し込みをお願いしました。原則と断りを入れておいたのはその為です。
当日参加も可能ですが、申し込み数が達した場合は、残念ながらお断りせざるを得ませんので、事前申告をお勧めしています。

チェック:×

明らかに虚偽であり、許されざる主張である。
「申告人数をオーバーした人数は参加は認めません」とは、警察がなんの法的根拠もなく主張していることにすぎない。
パレードを規制する道路交通法77条、および宮城県の行列行進集団示威運動に関する条例には、予定人員を超えたことに対する何らかの条件はいっさいない。
あるいは、主催者がこれを警察の権限ではなく、警察からの要請としてとらえ、遵守する、という姿勢を見せているものなのかもしれない。
しかし、警察が各地の市民パレード参加者に対して「気持ち悪い」「オカマ」などの悪罵を投げつけている事例は存在する(というか、現に筆者よねざわは過去複数回投げつけられている)。警察を無前提に信用することは、LGBT当事者のパレード参加の安心を保証しないリスクもあることを、留意すべきである。

Q8) 「パレード」への参加申し込み者を、本イベント当日にどのように本人確認するのかをご教示ください。
A8) お名前(ニックネームで構いません)と御連絡先などの照合で大丈夫です。

チェック:△

「御連絡先」がいったい何を指すのかが不明であるが、もしこれが登録時のメールアドレスでよいのであれば、一時的なアドレスを確保するなどの手段が取れることから、大きな問題ではない。
ただ、このことは、いまだに主催者から広く呼びかけられているものではない。多くの参加者にとってはいまだ不透明でしかなく、本回答の私たちによる公開がなければ、この条件は決して公然化することがなかった。
すなわち、パレード参加の条件を、主催者は自ら狭めていた、とも言える。
また、少なくない当事者が、一般論としてパレード参加への逡巡を覚えるような現実に対し、この条件を明かさないままに募集を行うことは、あまりに思いやりを欠いた行為である。

A9) 8)での本人確認に用いた個人情報の、その後の取り扱いについてご教示ください。
B9) ニックネームは問題ないかと思いますが、本名であれば全てデリートさせて頂きますのでご安心下さい。

チェック:×

「本名かどうか」をどのように確認するのか、現場で確認するのであれば純然たるアウティングにつながるものであり、絶対に許されるものではないが、現場での確認ではないことを私たちとしては祈るしかない。
また、「ニックネームなら問題ない」という発想は、そもそもプライバシー情報に関してあまりに雑である。ニックネームが個人の何らかの属性を表現するケースが多々ある、ということへの根本的な無理解であり、LGBT当事者の情報を取り扱う主催者としての資質を疑われる。

Q10) LGBTという語も、プライドという語も、今年50周年を迎えた『ストーンウォールの反乱』という警察と当事者との衝突にはじまり、当事者の権利を勝ち取るための闘いの中で生み出された、とても政治的なものです。それらの語を使うことと、「党派性の無い」というフレーズの間には、かなりの齟齬があると感じますが、そのような私たちの考え方に対するご見解をご教示ください
A10) 外国の商品をそのまま売ろうとすると売れず、その国に合った商品にリメイク、リパッケージをすると爆発的に売れます。
スポーツに於いても、例えばサッカーやアーティスティックスイミングなど、外国のやり方をそのまま指導すると失敗し、
オシム監督やトルシエ監督、井村コーチの様に日本人に合った教え方、日本化すると全て成功します。
ストーンウォールの件もそうで、私個人もLGBTとして心に重く残る事件です。
が、日本でそれはありか?というと共感は得られていない現状があります。それは、日本にはストーンウォールはなかったからです。
強い敵対心をLGBTに抱いている人が非常に稀であろう日本に於いて、過激なパレードは、味方どころか、むしろ敵を増やしていくと思います。
勿論、世界へのLGBTへの連帯、ストーンウォールへの想いは当然馳せつつも、日本に於いてのPRIDEは日本スタイルのPRIDEでなければ物真似に過ぎないと考えます。
私たちは過去に思いを馳せつつも、最も重要な事は今を生きている人達の為に、現在の不備を変えていく事です。
その為には、我々日本人は今現在の日本の不備にフォーカスすべきで、日本には無いソドミー法と戦っている暇はないのです。
ストーンウォールに強い思いがあるのは、同じ当事者として勿論共感できます。
しかし、私はそれでも前を見たい。
御理解頂ければ幸いです。

チェック:×

個人の感想を問うているので、その是非については判定しない。
が、「日本人に合った教え方、日本化すると全て成功します。」は、明らかに反例多数であり、虚偽である。
また、ストーンウォール反乱のきっかけになった警察の弾圧は、ソドミー法にもとづいたものではなく、歴史認識が誤っている。

Q11) 本イベントの代表的人物のおひとりである東城ひろみさんは、2019年1月26日、ご自身のTwitterにおいて「俺は男女関わらず女性脳と言われる共感型で感情優位の者とは交流出来ない」とお書きです。「共感型で感情優位の者」が当日安心して本イベントに参加できないように思われますが、そもそも、「共感型で感情優位の者」と東城さんが認識なさる当事者が、当日参加を拒否される可能性があるのかどうかをご教示ください。
A11) 個人的に好き嫌いでイベントなどやりません。融和のイベントです、安心していらして下さい。お待ちしてます。
私、とても優しいですよw

チェック:△

「感情優位の者とは交流出来ない」と公に発言しておきながら、そのニュアンスなどへの言及をいっさいせずに「私、とても優しいですよw」とされても、とりわけインターネットスラングである「w」という形で笑いを含ませた言及を行っても、元の発言に該当するかもしれないと自認した者にとっては、逆に恐怖でしかない。
しかし、その表現があまりに露骨であることから、主催者がアピールする「融和」というのは、「殴ろうとしている右手を降ろしていない人を受容しなければならない」という意味だと解釈し、それはそれでひとつの価値観であるとみなし、△とする。

Q12) もし11)で「参加可能」であるのだとしたら、「共感型で感情優位の者」が、東城さんから個人的に圧迫を受けるようなことがないようにされるべきですが、それをどう担保することをお考えか、ご教示ください。(この質問に限り、11)が「参加不可」であるならば、回答いただかなくてもかまいません)
A12) そんな暇はありませんのでご安心下さい。運営でてんてこ舞いだと思いますので。

チェック:×

「そんな暇」が万が一発生した場合に、圧迫を受ける可能性を排除しない、という主張であり、全面的に認められない。


【サーバー提供】 合資会社ダブルエスエフ 代表社員 よねざわいずみ